渚は朝から調子が悪かった。

別に風邪気味というわけでもなかったし、生理の前兆、という理由も当てはまらなかった。

確かに忙しい日々を送っていたのも事実だが、睡眠時間を補うのは授業中にやっていた。

しかし調子の悪さは気のせいでもなく、しかも何が調子悪いのか分からない、という調子の悪さだった。

つまり頭が痛い、お腹が痛い、とかではなく、何か気分が優れない、といった状態だった。

しかし渚の責任感の強さは人一倍で、言えばどこも痛みを感じないのに、何か調子が悪い、なんていうのは、渚の中で甘えでしかなかった。

そのため、ふらふらしながらもいつもどおりの時間に家を出て、登校した。

学校に着けば少しはましになるかと思いきや、学校についても渚の調子は上がりはしなかった。