(うん。なんか、ここに居た)



「成仏……しなくて、いいの?」



(できない)



なんで、受けいれることができているんだろう

幽霊なんて……いるはずがないのに。



やっぱり、ユキくんだから……



「ごめんね、あの日なにもできなくて」



(ううん、しょうがなかったんだ)



彼は私を抱き締める。

でも、体温はなかった。

ひんやりとした空気が私を包み込んだ