赤いりんごの青い果実













やってしまった


読み終わってしまった



むしろラストシーンがよすぎて
2度も同じとこ読んでしまった


窓を見るとはるか遠くに
太陽が沈んでいく途中で


あぁ、早く帰らなきゃ…


ガタタと乱暴に立ち上がり
鞄に荷物を詰め込む




「…んあ。涼宮帰んの?」

『え…あ…』



ぼんやりとした声は
どこかまどろみを含んでいて


伏せていた顔をこちらへ向けて
ふにゃりと微笑む


…可愛い顔もするんだ


って、違う違う!


『ご、ごごめごめんね!
おこ、起こしちゃったかな!?』


「あー…だいじょぶだいじょぶ
むしろ起こしてくれてサンキュ
ちょっと寝ちゃってたわー…」


腕を伸ばしながら
私への問いかけに答えてくれる