すると―― 山下先輩がいた。 しかし山下先輩はまた春先輩を見つめていた。 「陽菜ぁ… 山下先輩さぁ、春先輩の事みてない……?」 砂穂は小さい声で私に話かけてきた。 『見てるね… 好きなんじゃない?』 「…………。」 私達は何も話さずに山下先輩を見ていた。 だけど山下先輩はいつまでも春先輩だけを見つめていた。