そこには山下先輩がいた。
相手は―同じクラスの矢田さん。


さっきの鞄は矢田さんのだったんだ…


静かな校舎に響く低い声。


「ごめん……好きな奴いる」


ズキンッ……


「…陽菜ちゃんですか?」


え?!私?


まさか自分の名前が出てくるなんて思ってもみなかった。