僕らの1年間。

そんなことをしている内に、あっという間に生徒たちが教室に集まっていた。




なんだかワクワクする。



「黒板に貼ってある表の通りに座ってね〜」



その言葉に従い、それぞれが自分の席を確認しぞろぞろ、と座っていく。


全員が座り終わった頃、ちょうどチャイムが鳴ったため自分も教卓の前に立つ。


教卓から、集まった生徒たちを見ると、初めての英語の授業だからか、少し落ち着かない様子で座っている子、早速周辺の席の子と仲良くなったのか話している子それぞれだった。



「はーい、出席とるよ〜」


その言葉で少し静かになった。


「板橋優くん」 「は〜〜い」

「笠原美優さん」 「はい」


……


生徒の顔と名前をできるだけ早く覚えられるように確実に出席を取っていく。


1列目が終わり、2列目の出席をとり始める。



「百瀬ひなこさん」 「え……？あ！はい！」

ん？なんだ今のリアクション。
そう思いつつ見ると、さっき教科書を散らかしていたあの子が目の前に座っていた。



今の驚いたようなリアクションはたぶん、俺もさっき見とれていた景色の虜になっていたから。



「景色の虜になって、ぼーっとしないでね？」



くすっ、と笑いながらそういうと


「え！！なんで分かったんですか！！！」



なんておばかな程正直なんだろう。
もはやここまでくると心配だ。



すると、いつのまにか周りの生徒も彼女の天然っぷりに笑っていて、当の本人もやっとそれに気づき顔を赤くしていた。