僕らの1年間。

ちょっとだけ、眉間にしわを寄せて



「え〜、困るなあ期限守ってもらわないと」




と背の低いその子を試すように言う。




すると、眉毛を下げてかわいそうなくらいの悲しそうな顔をした。


「ですよね……」



なんてまっすぐな子なんだろう。
思わず、ふふ、と笑ってしまった。


「うそだよ、全然大丈夫。
今度英語の準備室に出しにおいで」



その言葉でよっぽど安心したのか




「も〜〜、焦ったじゃないですか!」



そういって、にこにこすると

ぽすっ、と背伸びをしながら胸を叩いてくる。



でも、今また嘘を言った。


ほんとは次の授業で提出でもよかったのに、準備室に出しに来いと言ったのは、また話すきっかけが欲しかったから。




無意識のうちに、惹かれていたのかもしれない。