1限に担当の授業がないため、2限の時間の教室に早めに移動したせいか、まだ誰も教室にはいなかった。


重たい荷物たちを、ふぅ、と教卓に下ろし
近くの窓から見える、この学校自慢の景色を
眺めてみたりする。

12階建てのこの校舎からの景色は、夜景だけでなく昼の景色も美しい。


来年アメリカに行くのが少し寂しくなるほど。


もともと高校、大学で留学したかったが、費用の都合で行くことを断念し、社会人としてある程度金銭的に余裕が生まれたため来年春からアメリカで暮らすことを決めた。


自分で決めたことなのに、悲しくなるのもおかしいか。


1限終了のチャイムも気付かずに、ぼーっと、そんなことを考えていた。