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「ねえ、なんでさっきあの子たちの年聞いたの?」
朝食を食べながら彼女は僕に問う。
「わからない。でも僕はきみと家族になりたいんだ。」
彼女は目を見開き驚いた表情をしている。
「変わるものね。私はあなたが望まないなら二人だけでもいいと思っていたわ。」
そんな見え透いたウソ、つく必要ないのに。でもそれも僕を傷つけまいとする彼女の優しいウソなんだろう。
「朝日に照らされたあの姉妹は宝物のように見えた。きっと自分たちの子供だったらもっとかわいいんだろうな。」
「きっとそうね。」
僕らの間にはとても穏やかな時間が流れていた。その後結婚し、あのときの姉妹のようにかわいい子供たちもうまれた。周りから仕事人間だったのに親バカ発揮してると言われるようになるのはそう遠くない将来のことである。
【完】

