僕たちの朝日


窓側に近い席だったため、子供たちは朝日に照らされ輝いて見えた。とても幻想的な光景だった。


「ワンワン!ワンワンがいる!」
妹だろうか?外にいる犬に興味を示し、ここに座ってしまったようである。そして6歳くらいの女の子が必死に妹を下ろそうとしている。

「ねえだめだよ、ここ違う人の席だよ。」

しかし妹は下りる気配がない。彼女が声をかけようとしたとき、子供たちの母親らしき女性が急いで僕たちに謝ってきた。

「申し訳ありません!すぐ下ろしますので!」

「いえ、お気になさらないでください。お子さん、おいくつなんですか?」

「6歳と3歳なんです。上の子はもうすぐ誕生日なんですよ。」

姉妹の母親はうれしそうに答えてくれた。すると突然、服の袖を引っ張られた。

「お兄ちゃん、お姉ちゃんごめんなさい。」

先ほど妹を下ろそうとしていたお姉ちゃんが僕たちに謝ってきたのだ。

「お兄ちゃんもお姉ちゃんも怒ってないよ。」

頭を撫でながら彼女が答えると、少し笑い母親の後ろに隠れてしまった。きっと恥ずかしかったんだろう。

なぜだか、とても微笑ましく思った。