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私、並木 由奈 (なみき ゆな)には"武田 朔弥(たけだ さくや)"という幼馴染みがいた。
小さい頃から朔くんと読んでいた。
家が隣だったこともあり、一緒に小学校まで通っていた。いや、正確に言えば高学年になるころまでだと思う。
何故かその頃から朔くんは私を避け、しまいには話しかけてくれることもなくなった。


それからはお互い同じ中学校に入ったが
その関係は修復することなくて私もあまり気にならなくなった。

なのに何故……。

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楽しい高校生活も残りわずかになり受験が近づいてる夏、私は週末日課の図書館にいた。