「ぅおっ!!おいおい!如月がこっちみたぜ!目が合っちゃったよ!!やべー、俺!」


矢口が、自分が目が合ったのだと勘違いをし、喜んでる。



いや、もしかしたら、僕が勘違いしたのかもしれない。




「アホらし」


食器を片付けようと席を立つ。


「おい、待てよ~」

後ろから矢口が追いかけてくるが、僕は振り返らず進む。



すっかり冷めていたけれど、

食堂を出る前にまた、

「~♪」


彼女の“歌声”が聴こえてきて、心地がよくなった。