枯れた涙のその先に


「そっか、わかった裏門にするね」

運転手の兄ちゃんに「裏門にまわって」とシュンは伝えてくれた。

いつもは20分かかるけど、車だから5分でついた。

「どうぞ」

この前と同じように、先に降りたシュンが私側の扉を開けてくれた。

車を降りようとしたとき、言わなければと思ったことを思い出す。

「あの〜ありがとうございます。送っていただいて。シュンは毎日送るって言ってましたけど、面倒なら全然大丈夫ですから。」

運転手の兄ちゃんにそう言った。

シュンがいいと言っても、実際運転してるのはこの人。この人の了承もないのに勝手に決めてはダメだと思う。

そう思って言ったのに、運転手の兄ちゃんは目を見開いていた。

私、何か変なこと言った?