そんなもの… 「ただの都合のいい道具。だから、私には必要ない。」 どうせなくなってしまうもの。 だったらいらない。 私の声が静かに響いた。 誰も喋らないこの空間におもわずうつむいた私の前にコツコツと音をならして近づいてきた黒い靴がうつる。 顔を上げると瀬戸ソウマが目の前まできていた。