枯れた涙のその先に


少し後悔しながらポケットに手を突っ込み、ハンカチを取り出した。

「軽いかすり傷みたいだから、大丈夫だと思うけど家に帰ったら消毒しなよ?」
「うん」

ハンカチを長細くたたみ、血の出てる膝にまいた。

「よかったら家まで送るよ?」
「まちあわせしてるから大丈夫。ありがとう」
「そっか…じゃああっちにお店があるからその中にいなよ。また絡まれるかもよ」
「うん。」