枯れた涙のその先に


「おかえりなさい‼︎‼︎‼︎」

この光景を見るのは2回目だけど、全然慣れる気がしない。

倉庫に着いて、車から降りたら前と同じようにみんなが一斉に頭を下げた。


ハナとシュンはケロッとしてるから、たぶん、これは毎回あるんだろう。

上下関係ってやつかな?

「2階に行こう!」

ハナとシュンが歩き出したから私も後を追う。

部屋に続く階段を上ろうとした時、重要なことを思い出して足を止めた。

「ユキナちゃん?」

「ちょっとごめん!先に行ってて」

突然止まった私を不思議そうに見つめるシュンを背中に、私は来た道を戻った。

みんなが笑ったり、バイクをいじったりと、思い思いに過ごしてる騒がしい1階

しばらくそれを眺めていた

「あれ?ユキナさん?どうしかしました?」

ユウタが私に気づいたことで、さっきまでの騒がしさが嘘のよう静まり返った