それは茉莉と夏芽がまだ幼かった頃。
ふたりにはもうひとり、
大事な幼馴染みがいた。
その名こそが、拓真。
真田拓真という同い年の男の子だった。
茉莉と夏芽と同じく、
物心がついた頃からごく自然に。
気がつけば三人一緒だった。
「ねぇねぇ!次は何する?」
「隠れんぼ!」
「えっまたぁ?」
茉莉と夏芽が次の遊びを決めていた。
しかし、それはなかなか決まらない。
「次はおままごとやりたいよぉ」
「おままごとより隠れんぼの方が
面白いじゃん!」
「なつめ、走るの苦手だもん!」
そんな会話を永遠と繰り返す。