「はぁっ....はぁっ...」


学校まで一気に走ったあたしは
誰にも会いたくなかったので
授業が始まるまで校庭に向かった。



青い空、流れる白い雲。

見上げた視線の先には
こんなにも美しい景色。


目を閉じても
その残像が浮かぶ。



「こんなに綺麗なのに....」


綺麗と思えないでいる

いや、綺麗だと思いたくない自分がいた。


この世界は残酷で切なく
時に哀しく時に美しい。


全ての色を知っているけれど
あたしはもうこの世界を
美しいと心から思えないだろう。