茉莉がおかしい。


いつも馬鹿みたいにへらへら
笑っているくせに。


その笑う顔は太陽のように明るい。

見るもの全ての者を
元気にさせる力があるような、
そんな笑顔の持ち主だ。



それがあるから
俺も憎むことは出来なかった。


いつも鬱陶しいくらいに
俺に笑って説教をする。

稀に真剣な瞳で俺を見る。

傷ついたような表情で
空を見上げる。

物憂げな顔で夏芽を守る。

どれが本物のお前なのか、
俺には全く分からない。