ーーーー ってことがあったんだ。
とあたしが言うと
輝は体を震えさせた。
「何、そいつ。気持ち悪っ」
「あはははっ!あたしも最初
そう思ったよ〜(笑)」
優しすぎて無理をしているのかと
思ったけれど
それが遥陽くんの素の性格らしい。
「だからね、
ふたりはつき合っているかは
微妙なところだけど
お互い想い合ってるんだよ」
「ふぅん。」
納得しているのか
していないのか、輝は生返事。
「....お前は好きな奴、いねぇの?」
「...っっ!」
その質問を受けた瞬間、
震えが止まらなかった。
「はっ...はぁ..」
「茉莉!?どうした?」
「ごめっ...ちょっと...過呼吸...かも..っ」
「横になれ!」
輝があたしを横にすると
少し落ち着いたかに見えたが
制服の袖で顔を抑え
輝に背を向けて
声を押し殺して泣いた。
何故だろう
まだ、吹っ切れないでいるのは
自覚があったけれど
取り柄の笑顔を作れなくなっている自分が
憎くて惨めで
いろんな感情が頭をまわり
涙が止まらなくなった。
輝は困惑していたが
あたしのいつもとは違う行動に
只事ではないと悟ったのか、
泣き止むまであたしの頭を撫でていた。
