「はるひっっ....ーー!?」


「夏芽!」


あたしがふと見ると
輝が夏芽の口を自身の腕で塞いでいた。


「ちょ!?輝!?」

「あいつか?夏芽の好きな奴」


輝にも分かったらしい。
夏芽は遥陽くんを見掛け、
呼び止めようとしていた。


それに輝が気づき、
止めに入ったと言うわけだ。




「そうよ!だからもう離してっ」

「無理。行かせるかよ」

そう言って輝が夏芽に近付いていく。
キスする気だと、あたしは悟った。


夏芽もそれに気付き、

「嫌だ!!!」

抵抗するが、男の力に適う訳はなく
もうキスされる寸前だった。


夏芽が困っている。

夏芽を傷つけるなと言ったのに
今の輝は夏芽を傷付けている。



それは、許せない。




ーーーーガッ


あたしは輝の腕を掴む。