違う。
そういうわけじゃない。
蓮が悪いんじゃない。
蓮が前に歩き出しているのに、あたしは何もちゃんと蓮に伝えられていない。
それに蓮がここを出ちゃったら、あたし…
ここが唯一のつながりだった。
家がとなりにあって、たくさんの思い出が詰まったこの環境があったからあたしは頑張ろうと思えた。
「美波の話は?」
「…」
どういう風に話を切り出したらいいのだろう。
蓮になんて説明したらいいんだろうってわからなくなった。
蓮はあたしをただまっすぐに見ている。
その瞳を見たら嘘なんかついちゃいけない。
そう思った。
「蓮。
あたしね、留学するの。」
「留学?!」
「うん。」

