奏楽は雑誌を見ながら言った。

「いまだに実感がわかないんだよね。
本当にここまできたのかなって。
本当にお客さん入るのかなって。
不安で仕方ないんだよね。
でしょ?蓮。」

「あぁ。
だってあんなに広いところ…初めてだし。」


「大丈夫よ。
ツアーチケットきっと売り切れるわ。
明日はリハーサルで会場下見にいくんだから早く帰って寝なさいね。」




そういうとマネージャーは出ていった。
今日の仕事は終わりだ。
俺と奏楽も変える支度を始めた。
その時、奏楽が手を止めてこっちを見る。
それに気づき、俺も奏楽を見る。


「どした?」

「えとね…あの…」

「ん?」