「それが…」




時間があるというわけでもない。
蓮と会うことができなくなるのはもっと早くに来る。
本格的にあっちの学校に通うのは高校を卒業してからだ。
だけど、それまでも長期休業中などはあっちで過ごすことになっている。


「え…それって…」

「蓮のライブが終わったら春休み中はあっちで過ごすつもりだよ。
あっちの言葉も覚えなきゃダメだと思うし、あっちで過ごしながら勉強しようと思っているの。」


「そんな…寂しくなるよ…」

「じゃぁ、本当時間あるわけでもないんだな。」




そうなんだよね。
言うべきなんじゃないかって悩んだ。
でも蓮には今に集中してほしいから。
余計なことは考えずに、向き合ってほしかった。