そう考えながら、俺は再び鏡の前に立ち踊り始めた。
もっともっとうまくならなくちゃ。
奏楽と踊るにはまだ実力が足りない。
皆にお礼と別れを言うにはまだ足りない。
そう思えばいくら踊っても踊っても終わりが見えなかった。
「れ~ん。
またそんなに一気にやってるの?
すこしは休憩しなって。」
「奏楽…。
やるぞ、おど…」
いるはずがない姿。
どうしてここにいるんだよって。
たくさんの言葉が出てくるのに何も口には出せなかった。
だってそこにいたのは…
「蓮。
久しぶりだね。」
「美波。」
出せた声は、発することができたのはたった一言。
君の名前を呼ぶことだけだった。

