「っはぁ…はぁ…」

「どうする?
もう終わりにする?」

「もう一度お願いします。」

「じゃぁAメロから…」

「いや最初から通しで!」



ツアーに向けてのレッスンにも気合を入れていた。
これで最後かと思うと熱がこもる。
奏楽と夢にも見ていた全国ツアーがついに目の前へきている。
そんなツアーで初めてのツアーで皆へサヨナラする時がくるなんて。
誰も予想していなかった結末だっただろうな…。




別に後悔なんてしてない…
っといえばうそになる。
本当はこの仕事が大好きだったし、ずっと続けていきたいと思った。
だけどいろいろな犠牲を抱えながらも続けるなんて俺には無理だった。



「気合入るのはいいけど…少し休憩しようか。
あまり一気にやりすぎるのは良くないよ。
奏楽もそろそろ来るんじゃないかな。」

「奏楽、ドラマでしたっけ?」

「そうそう。
今日でクランクアップだったよね。
確か…」

「はい。」