ベッドから起き上がり少し気晴らしに外を歩こうかと思い部屋を出て廊下を歩いていると、見覚えのある二つの影が見えた。
あ、あれって…。
真衣ちゃんと大貴くんだ。
二人ともお見舞いにきてくれたんだ!!
だったらちょっとだけお散歩に付き合ってもらおう!
そう思い、二人に声をかけようとした時だった。


「神楽坂って本当に馬鹿なの!?
美波のお母さんがあの話をして、なんでこういうことになるわけ…」

「あいつもきっとあいつなりに考えがあってやったことだとは思うんだけどさ。」

「考えって何よ。
奏楽も奏楽よ。
僕は蓮の決断に何も言わないなんて言って、何もしゃべってくれないのよ。」



二人が蓮の話をしてる?
しかも内容が見えないけど、いい話ではなさそうな感じ。
どうしたの?
蓮が何かしたの?
蓮に何かあったの?
不安ばかりが心をよぎった。
何もわからない私は目の前で話す真衣ちゃんと大貴くんの会話を聞くことしかできなかった。



すると自分の病室へ入る人影を見つけた。
やばい…。
話が見えてないままだけど、お客さんを放っておくわけにはいかない。
そう思いながらあたしは病室へと戻った。