「おい、アレ見ろよ!」
「…ん?なんだよ。」
男は前方から歩いてくる女を指差す。
「黒縁めがねにおさげにスカートもなげぇし、あんなに完璧ながり勉女他にはいないだろ??」
「ほんとだ、あれはねぇ~わ…。」
「顔面見てみたくね?」
「何する気だよ、」
「まぁ、ちょっと見てろや!!」
男は携帯を見ながら女にわざとぶつかる。
-カチャッ
女のかけていためがねが落ちた。
「すいませぇ~ん、大丈夫ですか??」
男は女に手を差し伸べながら、女の顔を覗く。
--が、
バシィィィッ!!!--
女は男の手を思い切り払う。
「--っっ!いてぇぇな、このクソおん…」
男は黙ってしまう。
男の連れが駆け寄る。
「お、おい!大丈夫か…よ……」
男の連れは女を見る。
そこには、今さっきまであざ笑っていた女には見えない美女が立っていた。
「…失礼します。」
呆然としている2人の男に謝罪をすると女は立ち去ろうとする。
それにようやく気づいた男達は女を呼び止める。
「ねぇ!君、ごめんね?俺達前見てなくて…。」
「そうだ!お詫びに今度なんか奢るからさ、何処か一緒に行かない?」
女は振り返る。
「--失礼します。」
少しばかり怒りのこもった言葉を残し、
女は再びめがねをかけては、その場を去った--。
「なんだよあの女…。」
「あんな格好して、めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか…。」
「よく見ればスタイルもよかったよなぁ~…」
「もったいない事したな、俺達。」
「だな…。」