キーンコーンカーンコーン
チャイムの音と同時に、
楽しみにしていた放課後はやってきた。
「きーのした!引き受けてくれてさんきゅーな!」
『引き受けたっていうか、翔太が勝手に決めたんでしょーー!?』
なんて怒っては見せるけど
内心すごくすごく嬉しくて、
「まあまあ(笑)木下なら絶対にやってくれるって信じてたからさ?たとえ嫌々でも!(笑)」
『それ、私が断れないの知ってて言ってるでしょ〜?(笑)』
「…ばれた?(笑)」
『バレバレです〜〜(笑)』
「………でも俺は木下のそういうとこ、すっげえ好きだよ?」
『えっ……何、急に(笑)』
「いや、本当に!(笑)自分よりも相手優先してさ。」
『……あ、ありがとう。……って言っても全然そんなことないけどね!?(笑)』
「そー?(笑)」
『そ〜っ!(笑)』
「ふーん、そっか!…………」
『…………うん!』
「………………………」
『………………………』
「………だけどさ、そうやって他人優先してると、たまに嫌になんない?自分の気持ち殺して、辛くなんない?」
『………えっ?……うーん。私は、自分だけが幸せになって周りが嫌な思いするより、それなら自分の気持ち抑えて周りが楽しい方がいいなあ。周りが幸せだと、自分も幸せになれるでしょ?』
「お前も、ちょっとは自分のこと考えろよ。」
『周りが悲しかったり嫌な顔してると翔太は嬉しい?私は周りがそんな顔するなら自分のことは後回しでいいなあって思うの。』
「…………ふっ。」
『え!?なんで笑ってる?(笑)』
「いや、お前らしーなあって(笑)」
『私らしい?』
「うん、お前らしい。たまにそういうお前がうらやましくなる。すっごい」
『……そうかな?』
「俺も、自分の気持ちばっかじゃなくて周りのこと、考えなきゃなーー。………でもまあお前も、自分の気持ち押し殺しすぎんなよ。」
『……うん。』
「限界きて辛くなったら話聞くから。」
『……ありがと。』
「……うっし!仕事すっか!!」
『うん!!!』
翔太、今日なんか変。
いつも優しいけど、今日は違って見えた。
んーーー、でもまあ気のせいか!!
ー多分、ううん。確実にこの日から。
私は翔太を好きになったんだ。
翔太の優しさは私にはむず痒くて、
でも言葉にできないほど嬉しくて。
翔太の言葉はいつも、
私を勇気付けてくれた。
いつも私を前向きにしてくれた。
翔太はいつだって私の前を歩いて
私の行く道を照らしてくれる、
太陽だった。
私は今、ちゃんと前を向いて歩けてる……?ー

