「もしもし。 西宮寺……」 「おーいっ。 研修医、少し顔だしな」 指導医からの呼び出し。 「……はい……。 行きます」 そういって電話を切ると和羽が、 『休めないねー』っと視線を投げかけてきた。 僕は準備を進めて愛車に乗り、 夜の街を静かに走り出した。 真人君の事……。 瞳矢の事……。 僕の大切な二人の弟を思いながら願い続ける。 全てが何事もなく 穏便に終わってくれたらいいと……。