「真人、今日の体育バスケだね。
 ボクは見学だけど、真人は頑張って。

 浩樹はピアノも上手いけど、バスケも上手いんだよ」

「だったら僕も頑張らないとね」




そんな他愛のない会話が、
こんなにも幸せな出来事だと教えてくれる。


やがて車が校門前に停車する。



「義兄さん、有難う」

「冬兄さん、有難うございます」

「はいっ。
 二人とも行ってらっしゃい」

「「いってきます」」




見送られて車を後にすると、
僕たちは飛鳥と合流して、建物の中へと入っていった。





いつまでこの暮らしが出来るかなんて
神様しかわからない。


だけど……僕は今、あの日以来、
ずっと孤独だった居場所のない時間から解き放たれて
僕が存在できる居場所を見つけた。



だからこそ……僕は大切な親友を思って、
共に時間を刻みたい。


僕の親友。
瞳矢が旅立つその日まで。