「……………桜」
耳から入ってくる雪の甘い声。
耳元で囁いているせいで、かかる息が体全体をぞくぞくとさせる。
もう何もかも甘い何かになってとろけちゃいそう。
いつの間にか、触れるだけだったキスが角度を変えながら何度も何度も………。
雪の息遣いも、だんだんと耳に入ってくるようになった。
怖さとか、なんだかよくわからない気持ちが胸の中にあったけど
このまま、私の全てを雪にあげてもいいな…………。
そう思ってまだ少し入っていた体の力を抜いた瞬間
「ふぅ~……もうおしまい」
雪のホンワカした声が私の耳に届いた。



