「今、この機会に言っておくわ。……ユッキーと別れてくれない?」



「え…?」



「貴方は邪魔なのよ。

ユッキーだって、本当は貴方なんか好きじゃないわ。


たんなる気まぐれで付き合ってるのよ」





「そ、そんなの雪に聞かないとわからないじゃん」





普段、こんなに声を荒げたりしない。


だけど、雪の事となっては別なんだ。





上から見下ろすような恋ちゃんの目つき。



それに打ち勝とうと、寝ていた体を起こして目線を恋ちゃんに合わせた。



「いい気にならないで。ユッキーはいつも一人ぼっちだった貴方がかわいそうだっただけよ」




「そんなわけ……」



ない………。



その言葉は、喉に突っかかってどこかへ消えていった。



ない……なんて、言い切れるんだろうか?



雪にとって私の存在ってなんなんだろうか?




雪の彼女だって…私は堂々と言えない。



いつも雄也くんや雪に頼ってないといけない。


そんな私を、雪は鬱陶しく思っているんだろうか…。



恋ちゃんの表情が勝ち誇ったようになるのと比例して、私の表情は曇っていく。