「おっ、それ雪の弁当?」


いつの間にか、私の後ろの席に移動してきていた雄也くんは



後ろから顔を覗かせ興味津々な様子で覗き込んだ。




「えへへ…、作ってきたんだけど」


横にいる雪を見た雄也くんは、「あ~あ」とでもいうように肩をすくめた。



本当…、どうしようかな?

やっぱり、雪に食べて欲しいし……。




「…雪?起きてってば」



もう一度、雪の体を小刻みに揺らしてみる。



「ん~…、さくらぁ?」


しばらくして、かすれた声を出した雪。



まだ眠ったそうなとろん…とした瞼をうとうととさせながらも



まだ焦点のしっかり合わない瞳を私に向けた。




「はぁ…、雪もうお昼だよ?」


やばい…、やばい…、超かわいい…、そんな気持ちを心の中に封じる。