マシュマロな彼





そんな事を思いながらも、雪を必死で追う私。




廊下を抜けて、中庭を通って、告白すると必ず報われると言われる、大きな桜の木の前まで来た。





告白にピッタリな場所だけど、ここにはあまり人が来ない。



それは、カップルがここに来たら別れる……という伝説があるから。



実際別れたカップルが、何組もいるんだとか……。




私と雪もカップルなんだから、この木の前にいったら別れちゃうのかも。



そうはいっても、もう来ちゃった後だし……。



この場所は、私のお気に入りの場所だった。




友達のいない私にとって、学校は楽しくもなんともない場所。



そんな私は、何か辛い事があったり、学校が嫌になったりすると、ここに来ていた。



ここだけは、何だか時間がゆっくり流れているようで、好き。



大きな桜の木の下は、木漏れ日が気持ちよくてお昼寝には最適なんだ。



寝ていると、綺麗に咲く桜の花弁がハラハラと降り注いでくる。



そう、まるで花吹雪のように…。


甘い香りと共に…………。