「ごめん、桜ちゃん………」




雄也君は、申し訳なさそうにそう呟くと、雪の胸倉を掴んでいた腕を放した。



雪の胸倉は、服がクシャクシャになっていて、雄也くんがどれ程力を入れていたのかが、見てとれる。




「ねぇ……どうして?」



こうなったものの、どうしたらいいのか分からない。



だから私はただ、どうして……と聞く事しか出来ない。




私の問いに対して雄也くんが口を開きかけた時、突然横のほうから声がした。





「ごめんなさいっ。私が全部悪いんです……」



その声の主は、雪の隣にいる恋ちゃんだった。