「やめてっ!!」



気付くと叫んでいた。



頭に血が上ってしまい、すっかりパニックに陥ってしまった。


呼吸するのも苦しいくらいに………。



雪に振り下ろされた雄也君の拳は、あと一歩で当たる……という所で止まっていた。



そして、雪に向けられていた目は、私に向けられていた。



その目は大きく開かれ、驚いた顔をしている。



そして、雪も閉じていた目を大きく開き、こっちを見ている。



恋ちゃんは、涙で濡れた瞳でこちらを見たが、



それは一瞬の出来事で、気まずそうな顔をした後、床に目を伏せてしまった。




「雄也…くん?どうして………」



私の事でこんな事になっているのは、すぐに分かった。



雪が悪いって思っていたけれど、私が悪いのかもしれない。



雪が悪いのかもしれない。



だけど、いくら私が雪の行動で傷ついていたって、雪の事が好きなのは変わらない。




だから、大好きな雪に手を上げるのは……友達の雄也くんでも許せないんだ。