「俺たち、さき帰ってるから」 不安げにこっちを見ている雪は、まるで子犬のようだった。 どうにかしてあげたいって気持ちもあったけど、雪だって男だもん。 雪と絡んだままの視線。 雪も私も、まったく放さない………。 ―――――雪……。 もっと欲張りになれれば良かった。 そうすれば、この先何か変わっていたのかな……? 雪…。