「でもアンタよく見てるから本当に好きになっちゃったのかと思ったわよ」
「だから、それはないってば!私は絶対に好きにならないよ」
好きにならないよ、絶対。
だって、私には無理だって分かるから。
優しくえくぼを作らせることも、
無機質な琥珀を潤ませることも、
頑なに閉ざす唇に愛の言葉を語らせることも、
何一つできやしないって分かるから。
会わなくとも、記憶にいるだけでそれをさせてしまう”アイツ”には適わないって分かるから。
「……ほんとに、どんな人なんだろう」
「え?なんか言った?」
「ううん。なんでもない」

