チュッ……。
優しい、触れるだけのキス。
でもそれだけで、あたしの顔は真っ赤だ。
「うぅ、棗のバカ……」
「バカで結構。奏の顔、気持ちいー」
むにむに、と触られる。
「い、いたた……ちょっと力つよ、」
そう言うあたしを遮って今度は抱きしめてくる。
何かと騒がしいな、コイツ。
「俺さ、奏の匂い好きなんだよね。めちゃくちゃいい匂い」
「んなっ……」
なんでそんな恥ずかしいことを!
しかも可愛く!
てか嗅ぐな!
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