「んだよー、いいじゃん。ほら、奏も来いよ」





「わっ!ちょ、ちょっと……近いっ!」





目と鼻の先にある棗の顔にあたしはドキドキする。





「ふっ、可愛い。今日は遅れてごめんな?」





なんだその不意打ち!





「いいよもうっ。遅れてくるのはいつものことだし!」





「根に持ってんじゃん。次は絶対遅れねぇから!」





そう言って自分のおデコをあたしのおデコくっつける。





覗き込むような瞳が、あたしを更にドキドキさせる。





そして、あたしの顔に手を添えて。