~Summer vacation~






「わ、可愛い……」





あたしの顔には笑顔が浮かぶ。





「喜んでもらえたなら、よかった。バイト頑張った甲斐あったな」





「バイト……?」





棗の言葉を思わず繰り返すと、棗はハッとしたように口を押さえる。





「バイトって……いくつしてたの」






あたしがそう聞くと、棗は気まずそうに目を逸らす。




図星か。





「いや、何個もしてないよ?」





「ウソだよ。だったら目、逸らさないでしょ?」





もしかして寝坊してたのが、それのせいであったら怒ってしまってたあたしはバカだ。





「うっ……み、3つ」





3つ!?





そんなにしてたの!?