~Summer vacation~






「かっ、奏!?」





「っ、ありがとう、棗。覚えててくれて……」





「そんなん、覚えてるに決まってるだろ!大事な彼女なんだから」





その言葉があたしにとってどんなに嬉しいか。





棗は分からないかもしれない。





「あと、これ……誕生日プレゼント」






棗が取り出したのは、小さめの箱。








「絶対奏にあげたくて、買ったんだ」





何それ、嬉しすぎ。





「これ、開けていいの?」





「もちろん、暗いから、あんまり見えないと思うけど」





あたしは、ゆっくりと包みを外す。





箱を開けると、そこには綺麗なピンキーリング。