あたしはまた、ポテトを1つ、口に入れる。 とその時また、ポン、と肩に何かが置かれた。 またさっきと同じやつ? あたしは反応しなかった。 相手にしない方がいい。 今度は誰も助けてくれない。 ……棗だって、きっと。 そう思うと、さらに涙が頬を伝った。 「っく……」 泣き声が漏れそうになった時、ふわりと後ろから抱きしめられた。 「奏、俺だよ……棗」 耳元でそう囁かれて、あたしは固まった。 本当に、棗?