「でも、芦原1人だぞ?またあんなことになったら……」
「大丈夫!もう少ししたら帰るし」
その時は棗の家に寄って行こう。
「さぁ、行った行った!あたしのことは気にせず彼女と仲良くして!」
あたしたちのことを気にしないように、少しでも元気に振る舞う。
「本当にありがとう。気を遣ってくれて」
そう言ってその場を離れたあたしは、人気の少ない土手でしゃがみ込んだ。
もう待ち合わせ時間より結構経った。
時刻は20時過ぎ。
泣きたくなってしまう。
このまま来てくれないんじゃないかって。
そんな想像をしてしまう。

