「それが嫌だったら早く来てよね!」





あたしは棗の寝癖を直すように髪の毛に触れる。





「あと寝癖は直して来なね。サラサラの髪に寝癖ついてたらおかしく見えるよ」





「分かったよ〜、次は遅れないからな!」





そんな宣言されるように言われても……。





「じゃあ、次は来週の土曜日ね」





あたしがそう言うと、棗は無邪気に笑ってあたしの手を握った。






「さぁ、今日はどこ行く?」





「いつもあたしが決めてるじゃん。たまには棗の行きたいとこに行きたい」





棗だって、行きたいところがあるかもしれないのに。