「あ、そうだ!このあと浴衣買いに行こうぜ!」





「え?ゆ、浴衣?」





「奏、新しいの欲しいって言ってたろ?」





それは、言ってたかもしれないけど……。





「奏の新しい浴衣買ってやる。今度の夏祭りのために」





ニッと笑って棗は言う。





「ありがと……じゃあ、行こ。棗も着るんだからね!」






あたしがそう言うと、棗は嬉しそうに微笑んだ。





そんな棗に、あたしもなぜか嬉しくなる。






そうしてあたしたちは、浴衣を買いに映画館を出たのだった。