「かなでー!遅くなったー!」





あ、やっと来た。





あたしの元に、寝癖がついた棗が走ってやって来る。





「遅い!何回遅れてんの!」





「ごめんごめん、寝坊しちゃってさ」





「また寝坊?一体何してんだか」





ツーン、とそっぽを向くと、頭を撫でられる。






「だからごめんってば。な、許して?」





うぅ、そんな可愛い顔で言うな……!





「次、遅刻したら別れるからね!」





「えぇっ!?そんなぁ!」





ショックを受けたような反応が返ってくる。