「なな、棗、起きてよ……ね、寝ないでっ!」





「んん……」





棗の体を揺さぶるけど、少し唸っただけで起きる気配なし。





それに、ピタリとあたしにくっついてる。





いや、あたしがくっついてたのか。





あたしたちが座っている席はカップルシートである。





だから、肩がくっついてしまう。





それにこれはあたしの嫌いなホラー。





まさかこいつ、図った?





……んなわけないか。





それにしてもこの寝方、結構キツそう。





何度も動いてるし。





しょうがない。