「えぇっ!そんなぁ!」




そんなぁ、って、普通じゃん。





だって今まで何回遅刻してきたと思ってるの。





デートした回数の3分の2は遅刻してるよ。





しかも全て寝坊!





「まぁ、これから頑張って、ね!」





「奏の鬼……」





鬼って……違うよ!?





「……んじゃ、できるだけ頑張る」




……うん、頑張れ。




自信なさげに言う棗にあたしは心の中で応援する。





「んー、頑張るから……手、繋ごう」





えっ?





「あ、うん……分かった」





いきなり手を差し出されビックリするけど、おずおずと手を乗せる。